近年、高齢化社会の進行に伴い、認知症への関心が高まっています。そんな中、注目を集めているのがレスベラトロールという物質です。レスベラトロールは、ブドウ果皮やワインに含まれるポリフェノールの一種で、様々な健康効果が報告されています。特に、認知症予防との関連が示唆されており、今回はレスベラトロールと認知症の関係について詳しく解説します。
レスベラトロールの認知症予防効果
レスベラトロールには、認知症予防に効果があることが複数の研究で示されています[1][3]。その作用メカニズムとして考えられているのが、脳内のアミロイドβ（アミロイドベータ：アルツハイマー病の原因物質の一つ）やタウタンパク質の蓄積抑制です[4]。これらのタンパク質の蓄積は、アルツハイマー型認知症の主要な原因とされており、レスベラトロールがその蓄積を防ぐことで、認知機能の維持・改善につながると期待されているのです。
興味深いことに、ワイン1.5杯程度（約0.3-1.1mg）の摂取でも、レスベラトロールの効果が期待できるとされています[1][2]。フランス人は比較的乳製品や肉類などの動物性脂肪分の多い食生活にもかかわらず、認知症の発症率が低いことが知られており、これにはワインからのレスベラトロール摂取が関係していると考えられています[4]。
また、動物実験レベルでは、レスベラトロールがアルツハイマー病の症状を改善させる効果が報告されています[4]。レスベラトロールが神経細胞の保護や炎症の抑制に寄与することで、認知機能の維持に役立つと考えられています。
レスベラトロールの安全性と摂取方法
レスベラトロールは一般的に安全性が高い物質とされていますが、原料によっては不純物が含まれている可能性もあるため、信頼できるメーカーのサプリメントを選ぶことが重要です[3]。また、レスベラトロールと他の薬剤との相互作用は、2013年時点では報告されていません[3]。
レスベラトロールの1日あたりの推奨摂取量は、体重60kgあたり450mgとされていますが、日本では摂取基準や上限量が設定されていないため、過剰摂取には注意が必要です[3]。ワイン1.5杯程度の摂取でも効果が期待できるため、サプリメントの過剰摂取は避けるべきでしょう。また、トランス型のレスベラトロールのほうが効果が高いとされているため、サプリメント選びの際は成分表示を確認することをおすすめします[3]。
まとめ
レスベラトロールには、認知症予防に期待できる効果があることが示唆されています。脳内のアミロイドβやタウタンパク質の蓄積を抑制することで、認知機能の維持・改善につながると考えられています。適度なワインの摂取や、信頼できるサプリメントの利用で、手軽にレスベラトロールを取り入れることができます。ただし、過剰摂取は避け、適切な摂取量を心がけることが重要です。認知症予防のための一つの選択肢として、レスベラトロールに注目してみてはいかがでしょうか。
参考文献：
[1] https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/29435
[2] https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/20126
[3] https://kenko.org/faq/resveratrol.html
[4] https://www.wakasapri.com/resveratrol/faq.php
[5] https://www.mpc-lab.com/blog/20200521
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